2020年6月30日火曜日

オーケストラ活動の再開にあたって

コロナ禍によってここ3ヶ月ほど、オーケストラの活動は休止を余儀なくされていますが、ここへ来てようやく感染状況が小康状態になり、医療機関のベッドや検査施設にも余裕が出てきていると聞いています。
大規模集会や移動制限なども段階的に解除され、M管弦楽団では第1回演奏会に向けてリハーサルを開始致しました。活動開始にあたっては、感染拡大防止対策を万全にすべく、以下のように対策を実施してリハーサルを行いました。


・練習会場への入館時はマスク着用する
・入館時は手指消毒を行い、随時手洗いを行う
・奏者間は弦楽器1.5m、管楽器2.0mの間隔を空ける
・指揮者と奏者との間隔は2.0mの間隔を空ける
・楽器演奏によって飛沫が飛ぶ距離はわずかであるが
 喋る時には飛沫が飛散するので対策が必要
・指揮者は大型のフェイスシールドを着用
・弦楽器は常時マスク着用
・金管楽器はスリットマスク着用、これで不具合があれば要相談
・木管楽器は演奏時は保護具をしないが、喋る時にはマスクを着用
・管楽器奏者は唾抜き、結露水の処理に最大限の注意を払う
⇒レジ袋にトイレットペーパーかペット用の給水シートなど入れておくことを推奨
⇒床にバスタオル、新聞紙などを敷いておけば、垂れた結露水の回収が容易になるのでは?
・練習終了後には使用した椅子等の備品を消毒する
・管楽器奏者は必要に応じて床の消毒も行う

まだまだCovid-19に関しては未知の部分が多く、これらの対策は過剰であるとの指摘が専門家からなされていますので、これから本番に向けて最適化していきたいと考えていますが、まずは安全・安心を最優先としました。
このような対策では、3管編成でトロンボーン、テューバなどを含むオーケストラはステージや練習場の広さの都合で活動が難しいですが、我々は小編成オーケストラの強みを生かして活動していければと思います。




<対策立案の参考資料など>

◆ドイツ・シャリテ大学病院ほか◆
「新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック期間中のオーケストラ演奏業務に対する共同声明」
全訳 / 須藤伊知郎西南学院大学教授
大学病院等の研究者とベルリンフィルなどのオーケストラが共同で実証実験を行い、指針を発表しました。

◆フライブルクフライブルク大学病院ほか◆
「音楽の領域におけるコロナウイルス感染のリスク評価」(第2アップデート)
翻訳 / 須藤伊知郎西南学院大学教授

◆YAMAHA◆
管楽器・教育楽器の飛沫可視化実験
この実験では、発音方式の異なる4つの楽器群の中から、フルート、アルトサクソフォン、
トランペット、ソプラノリコーダー、鍵盤ハーモニカを選択し、演奏時の飛沫の飛散距離や
左右への広がりなどを観測しました。

◆東京都交響楽団◆「演奏会再開への行程表と指針」を策定
2020年6月11日・12日に東京文化会館で行った
「COVID-19(新型コロナウイルス)影響下における演奏会再開に備えた試演」の検証結果と
専門家からの助言を受け、「演奏会再開への行程表と指針」を策定しました。


また、資料というほどではありませんが、関連する投稿など・・・

沖縄の救急医 林さんの投稿

神戸市の緩和ケア医 新城さんの投稿

そして、今後の検証が期待されるプロジェクトもあります。

◆クラシック音楽公演運営推進協議会◆
「#コロナ下の音楽文化を前に進めるプロジェクト」
7月11日~13日、感染症専門医、NHK交響楽団、YAMAHAなどが協力し、クリーンルームでの飛沫測定を行います。
「日本中の音楽を愛する人たちが活動再開していくために必要な提言策定を行います(2020年8月下旬ドラフト公開予定)。

2020年6月15日月曜日

リハーサル開始しました!

本日からリハーサル開始しました。今日は弦楽器のみ、自由参加ということにしましたが、初回からマエストロの本気度が高くて、パートは歯抜けにも関わらず有意義な練習になりました。

コロナ対策で全員マスク着用、指揮者と奏者は2mの間隔を空け、奏者間は1.5m空けて、30分毎に換気。それどころか、他に利用者もいないのでドアを開け放したまま練習しました。

奏者間の間隔が遠いと、横のアンサンブルはいつも以上に意識しないと難しいですね、トップのザッツや弓使いが見えません。慣れも必要だと思います。本番までにはノウハウやエビデンスも出てきて距離を詰められることを願いますが、まずは安全安心を優先して進めて参ります。







2020年6月9日火曜日

テレワークリモートアンサンブルのススメ

3月半ばからオーケストラの活動もできなくなり、自粛が続いております。
緊急事態宣言が解除されてから、少しずつ活動再開の動きもあるかと思いますが、感染対策もあり、様々な制限が課せられていて、元の通りに演奏活動が出来るようになるまでは、まだまだ時間がかかりそうです。

この自粛期間中、M管弦楽団では、メンバー有志によるリモートアンサンブルに取り組んでみました。皆様も新日本フィルのメンバーによる「パプリカ」を始めとして、様々なリモートアンサンブルをご覧になったかと思います。

やってみると、これがなかなか難しいんですね。普段の合奏では、我々は眼や耳でお互いに見ながら、聞きながら、そして呼吸を合わせながらアンサンブルをしています。
クラシックの音楽は常に同じテンポで時間通りということはなくて、フレーズによって前に進んだり、フレーズの終わりで落ち着いたり、
という細かい調整がたくさんあり、お互いに聞き合いながら微調整をするのですが、リモートではそんな「当たり前」のことをできないので
とても苦労しましたが、改めてアンサンブルの基本に立ち返って色んな「気づき」を得る良い機会となりました。


というわけで、アンサンブル面では100%納得のいくもではありませんが、自粛期間中の成果として、ご覧ください。

W.A.モーツァルト 交響曲第1番KV16より第1楽章

今後練習を開始して無事に演奏会が開催できましたら、オーケストラメンバー全員でより完成度の高い演奏をお聴かせしたいと思います、どうぞご期待ください。

第9回演奏会の曲目解説(3)

第9回演奏会の開催に先立ち、当日配布するプログラムに掲載の解説文をご紹介します。ご来場前に是非ご一読ください。 アントニン・レオポルト・ドボルザーク(1841-1904)  交響曲第8番 ト長調 作品88  ドボルザーク(チェコ語の発音はドボジャークに近い)は、後期ロマン...